数学で常に忘れてはいけないこと

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しゅがー
高校受験の失敗から高校時代は大学受験をガチる。特に好きだった数学を極めようとするも、最初はうまく成績が伸びなかった。そんなとき、超数学が出来る先生に出会い飛躍的に数学の成績が伸び、国立大学に合格。ネットの友達に数学に教える過程で、「教える」楽しさに気づき、本サイトを作る。詳しいプロフィールは こちら

こんにちは。

今回は、あまり数式を使ったお話はしません。

 

誰しも、「スランプ」ってあるじゃないですか。今まで得意だったことが出来なくなる。

 

もう辛いですよね(笑)

自分は本当は実力なんかなかったんじゃないか。今までうまくいってたのは全て偶然だったんじゃないかって。

 

でも、安心してください。

紛れもなくあなたの得意なことは確実に存在している実力です。

 

数学で常に忘れてはいけない姿勢とはなにか?

 

話を数学の話にします。

僕自身、いやー本当に数学のスランプに陥ったことがありまして。

スランプの原因っていうのは、何だと思いますか?

「今まで出来てたことが出来なくなる。」

 

それは、出来なかったことが得意になると驕りのような姿勢になってしまい、今まで意識していたことを意識しなくなることによる「忘却」が原因だと思っています。

 

つまり得意になる過程で意識していたことを、「言語化」していないくて、というか出来なくて、忘れてしまう。

 

それだけ「言葉」がもつ力っていうのは強いんです。

 

数学とはゲームである

 

私の大学時代、数学を研究している教授が言っていた言葉です。

数学はゲームなんだって。

 

確かに、しっくりきます。数学はゲームです。

 

最近チェンソーマンという映画を見まして。

 

そこでデンジが圧倒的格上である強者のレゼ相手に、最後の最後で機転を利かせて勝つんです。

 

それまで圧倒的に優勢だった強者に。

 

バトルとは面白い。

 

そういったことが起こるのが、バトルなんです。

 

勝ちしか知らぬ者からは、教訓は得られません。どんな強者も負けを経験している。

 

で、チェンソーマンの話に戻すと何故デンジがレゼ相手に勝てたかって言うとデンジが出来た「機転」なんです。

 

おそらくデンジは言語化することなくやってる天才肌なんでしょう。

 

でも、言語にもつ特性としてあるのが「再現性」です。だから、私達凡人には言語化が大事なんです。

 

では、デンジがした「機転」の話をちょっとしましょう。

 

まず、デンジくんはチェンソーマンっていう本当にただ「チェンソー」を使うだけの戦いしか出来ない能力なんです。(厳密にはもっとすごい能力がありますが)

 

で、レゼは「爆弾」を自由自在に使えてしまうとんでもなくおそろしい能力を持っていました。

 

レゼは「応用」の話をしました。

「デンジ君は応用ができてないね チェンソーぶん回すだけじゃダメだよ。もっと自分の力を理解しなくちゃ」

 

レゼはこの爆弾の能力を深く理解していました。

 

爆発して飛行したり。とんでもなく応用が効く手練れです。

 

で、このレゼの言葉に、デンジは気づくんです。チェンソーってそもそもなんだろうって。

 

チェンソーって「鎖」があるんです。それをうまいこと使えないかなーってデンジはきっと無意識化で考えていました。

 

そして、レゼは逃げ道を塞ぎます。追い詰めます。目の前には海しかありません。

 

そこでデンジは気づくんです。「そういや爆発って水の中で出来るんかな?」と

火は水に弱いというよくある「ゲーム」の設定を使うんです。

 

そこで「機転」を効かせる。今まで全く活用できていなかったチェンソーの鎖の部分を、レゼごと縛り付けることで海に落として爆発を「無効化」する機転。

 

こんな発想出来てしまうデンジ君は頭が良いですね。

 

誰でも出来る機転の効かせ方

 

さっきも言いましたが言語化の強みは「再現性」です。

 

デンジ君みたいな天才肌には無意識に出来てしまうことも、言語化すれば誰でも出来るようになります。

 

結局、デンジ君がしたことって何かって言うと。

 

「自分の能力を理解する。うまい使い方ないかなって常に意識する」

「冷静に観察し相手の能力を分析する」

「相手の弱点と自分の強みで相性の良い機転を考える」

「相手の能力を無効化」

 

これです。で、数学でも同じような構造をしていて。

 

「この公式・定理・手法はどういったときに役立つのか?どういう強みがあるのか?」

「問題を冷静に落ち着き、じっくりと観察する」

「問題の突破口や崩せるところを探したり、視点を変えてみる」

「今までの知識の中から使えるように落とし込み、機転を効かせた式変形や帰着を行う」

「解ける」

 

以上が、一番伝えたかったことです。

 

例えば、多変数の最小値問題があったとしましょう。

まあそりゃ多変数の問題は色々な解き方がありますよ。

文字固定、相加相乗平均、コーシーシュワルツ不等式など・・・

 

そういったものをまずは連想し、問題をじっくりと観察する。

「やけに次数が高くて、積の形がぐちゃぐちゃしているなーって」

で、あらかじめ理解しておく。次数が高い上に積の形に強いのはコーシーシュワルツ不等式だと。

 

そうしていくうちに、簡単な形に落とし込める。基礎の問題に落とし込める。

 

つまり「応用」っていうのは、「理解」の上に成り立つってことなんです。

 

公式や定理の字面を理解するだけが理解ではありません。その強みやどういったときに使えるのか、それを考える。考え続ける。

 

そして問題(=敵)を、じっくりと冷静に観察する。分析する。洞察する。

 

この姿勢を、常に忘れないでください。