どうもこんにちは、しゅがーです。
上記の記事の続きです。
今回は1/6公式などの面積公式のさらにレベルアップした内容です。
1/6公式は対称式や解と係数の関係、極大値と極小値の差などと絡めやすいので応用性が非常にあるテーマなんです。
前回の記事の内容を踏まえたうえで、やっていきたいと思います。
1/6公式は対称式・解と係数の関係と相性が良い!
対称式とは?
基本対称式\((\alpha+\beta,\alpha\beta)\)で表現できる式のことを対称式と呼びます。
例えば
\(\alpha^2+\beta^2\)は対称式です。
なぜなら、
\(\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta \)
と基本対称式\((\alpha+\beta,\alpha\beta)\)で表現できるからです。
他にも
\(\alpha^3+\beta^3 \)
も対称式です。
\(\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta) \)
と基本対称式\((\alpha+\beta,\alpha\beta)\)で表現できるからです。
さらに対称式と解と係数の関係も相性がいいのはわかりますかね?
二次方程式\(ax^2+bx+c=0\)
の解と係数の関係は、解を\(\alpha,\beta\)とおくと、
\(\alpha+\beta=-\displaystyle\frac{b}{a}\)
\(\alpha\beta=\displaystyle\frac{c}{a}\)
となるので、基本対称式を求められるということは、対称式も求められるということなので相性がいいです。
さて、今回の1/6公式と対称式がなぜ相性がいいのか?
もう一度1/6公式をみてみましょう。
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)
ここで、本質部分は
\(\beta-\alpha\)の部分だとわかります。
ここで神変形を考えると、
\(\beta>\alpha\)のとき
\(\beta-\alpha>0\)より
\(\beta-\alpha\)
\(=\{(\beta-\alpha)^2\}^\frac{1}{2}\)
\(=\{ (\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta \}^\frac{1}{2}\)
このように
\(\beta-\alpha\)は強引にやれば基本対称式で表されるのです!!!
この式変形より、1/6公式が対称式と解と係数の関係が絡むことがあるので注意してください。
後ほど問題で具体的に使います。
1/6公式は極大値と極小値の差にも使える
1/6公式の使い所は他にもあります。
それが3次関数の極大値と極小値の差です。
これは図を思い浮かべれば簡単です。
三次関数\(f(x)\)と導関数の2次関数\(f'(x)\)を図で思い浮かべてみると・・・
このようになります。
ここで、極大値と極小値の差は
上記の赤の面積部分なんです!
なぜかというと、式で考えれば簡単で、赤の面積部分は
\(\displaystyle\left|\int_{\alpha}^{\beta}f'(x)dx\right|\)
です。これって単純な話で、\(f'(x)\)を積分したものは\(f(x)\)ですから、
\(\displaystyle\left|\int_{\alpha}^{\beta}f'(x)dx\right|\)
\(=|f(\beta)-f(\alpha)|\)
となり、極小値と極大値の差と等しくなるんです。
3次関数の極小値と極大値の差=導関数とy軸が囲む面積
とおさえておきましょう。
そしてこの面積部分は
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)
この1/6公式で求められますね。
では問題です。
問題演習
問題1
解答です。
問題2
次の3つの条件を満たす3次関数\(f(x)\)を求めよ。
(i)\(f(0)=1\)
(ii)\(f'(0)=f'(1)=-3\)
(iii)極大値と極小値が存在して、それらの差が極値をとる\(x\)の値の差に等しい。
(名古屋大)
解答です。
問題3
\(a,r\)は\(\displaystyle a>\frac{1}{2},\) \(\displaystyle 0<r<\frac{1}{2}\sqrt{4a-1}\)をみたす定数とする。
円\(x^2+(y-a)^2=r^2\)の接線と放物線\(y=x^2\)で囲まれる図形の面積の最小値を\(a\)と\(r\)で表せ。
(京都大)
解答です。
放物線\(y=x^2\)上を動く2点\(P,Q\)があって、この放物線と線分\(PQ\)が囲む部分の面積が常に1であるとき、\(PQ\)の中点\(R\)が描く図形の方程式を求めよ。
(京都大)