大学受験数学の攻略法【基本編】

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しゅがー
高校受験の失敗から高校時代は大学受験をガチる。特に好きだった数学を極めようとするも、最初はうまく成績が伸びなかった。そんなとき、超数学が出来る先生に出会い飛躍的に数学の成績が伸び、国立大学に合格。ネットの友達に数学に教える過程で、「教える」楽しさに気づき、本サイトを作る。詳しいプロフィールは こちら

 

こんにちは、しゅがーです。

 

大学受験における数学は、非常に重要な科目になります。

特に理系の人は、合否を決める最後の科目は数学といっても過言ではありません。

 

というのも、例えば理科は突き詰めれば入試本番の時点で”覚えられたか”でしかなく、

浪人も現役も入試本番の時点で差が小さくなる科目だと僕の経験上言えます。

※もちろん理科は完全な暗記科目と言いたいわけではありません。が、数学よりはその傾向が高いということです。

 

しかし数学(と英語)に関しては、ただ”覚えられたか”どうかではなく、

・深く理解できているか

・知識を整理できているか

・知識の運用がすらすらできるか

が問われます。

 

 

つまり、”積み重ね”が非常に問われる科目だといえ、一朝一夕で伸びる科目ではありません。そのため、最後の合否を決めるのが数学(と英語)なわけです。

 

よく言われるのが

・合否の足を引っ張るのが理科

・決め手になるのが英数

というやつですね。

 

いずれにしても、数学は日ごろから長い目で勉強していかなければなりません。

 

しかし、ただやみくもに勉強したところで、”勉強の方向性”が間違っていたら、超遠回りをする羽目になるかもしれませんし、そもそもゴール(=合格)にたどり着けないかもしれませんよね。

 

そこで、この記事では大学受験数学における攻略法について解説していこうと思います。

 

数学の問題は二種類ある

 

まず、覚えておいてほしいことがあります。

受験数学には、主に二種類の問題があるのです。

 

一つ目は、純粋な思考力を問う問題です。

二つ目は、既存の知識を適用する力を問う問題です。

 

簡単に言うと、一つ目は「頭は良いですか?」を問う問題で、

二つ目は「勉強しましたか?」を問う問題ということです。

 

 

どういうことかというと、まず大学受験の数学の問題を作るのは、大学教授です。

 

そのため、教授としては「大学数学についていける生徒が欲しい」と常に思っているわけです。

 

 

大学数学は、はっきり言って難しいです。内容は抽象的で理解するのに地頭が必要で、それでいて、理解した知識を適用する力も必要だからです。

 

そこで、大学数学に対応できる生徒をとるために、純粋な思考力を問う問題と既存の知識を適用する力を問う問題の主に二つが出題されるわけです。

 

 

結論から言うと、既存の知識を適用する力を問う問題は正しく勉強すれば必ず出来るようになります。

更にいうと、合格点レベルを狙うのであれば、既存の知識を適用する力を問う問題さえ確実に満点を取れていれば十分です。

 

そのため、受験数学における重要な攻略法の一つは、”既存の知識を適用する力”を身につけることです。

 

 

では、この”既存の知識を適用する力”を身につけるにはどうしたらいいのか?

 

”あらかじめ構えておく”

 

”構えておく”

この表現がしっくりきます。

 

どういうことかというと、

 

「こういう状況、こういう問題文の言い回し、こういうキーワード」

ときたら

「こういう解き方」

 

という対応関係が存在しているということをあらかじめ頭に入れて、構えておくということです。

 

特に、高校数学においてこの対応関係が多く存在していて、”構えておく”ことで解ける問題が圧倒的に増えるのが

・二次関数

・図形と方程式

・三角関数、指数対数関数

・微分

・積分

・数列

・ベクトル

・複素数平面

です。

 

本サイトの解説記事では、これらの分野について特に焦点を当てて、

「こうきたら、こう解く」という、

”構えておく” 勉強を手助けできるようなコンテンツを提供していきます。

 

とはいえ、実際に”構えておく”とはどういうことか、抽象論ばかりだったので具体例をこの場で説明してしまいます。

 

「キーワード→解き方」という対応関係

 

さっそく解説していきますが、”構えておく”方法の1つとして「キーワード」があります。

 

 

「キーワード」とは、問題文中にある言葉や言い回しのことです。

 

つまりどういうことかというと、問題文中に「キーワード」があれば、こう解けるという意味です。

 

 

今回紹介するパターンがある「キーワード」は、「最大・最小」です。

 

よく見慣れている言葉かとは思いますが、「~~の最大最小を求めよ。」と言われたときに、あなたはどれだけ方針が立ちますか?

 

これを考えることが、既存の知識を適用する力なのです。つまり、問題文中に「最大・最小」の言葉があった瞬間、僕はパズルのように解き方が絞れるわけです。

 

 

結論からいうと、「最大最小」というワードがあった瞬間、パターンは7つです。

・二次関数

・微分

・相加相乗平均

・線形計画法

・三角関数

・数列比

・図形的考察

 

これらは、瞬時に頭から出るように唱えてください。つまり、問題文中に「最大・最小」というキーワードがあった瞬間、これら7つのパターンが思い浮かべるようになるということです。

具体的な問題でどういう頭の動かし方をするのか解説していきます。

 

例題

例題

\(\displaystyle\frac{1}{x}+\frac{1}{y}≦ \frac{1}{2},x>2,y>2\)のとき

\(2x+y\)の最小値を求めよ。(早稲田)

 

それでは、解説していきます。

 

問題文を観察したところ、「最小値」のキーワードがありますよね。よって、思い浮かべるべきパターンは、以下の7つです。

・二次関数

・微分

・相加相乗平均

・線形計画法

・三角関数

・数列比

・図形的考察

 

 

そう、ここで思い浮かべることが大切なのです。書き出してみてしまうのもとても効果的です。視覚的にあるのとないのとでは違います。

 

この時点で、あとは消去法的に考えればいいだけなのです。

 

まず下3つの

・三角関数

・数列比

・図形的考察

は今回外れます。三角関数については、今回置換しても何もうまみは得られないです。数列比(\(\frac{a_{n+1}}{a_n}\)を考える)についても、今回数列ではないので。図形的考察も、今回は図形的に考えようがないので。

 

 

ちょっと怪しいのが

・線形計画法です。

 

しかし、

 

\(\displaystyle\frac{1}{x}+\frac{1}{y}≦ \frac{1}{2},x>2,y>2\)

 

 

を図形と方程式の分野の範囲では図形を描けません。よってこれも排除です。

(※2024年9月6日追記)

\(x+y=X,x-y=Y\)と置換すれば線形計画法で解けることを発見しました。が、ここではその解答は省略します。

(※2024年12月21日追記)

上記のような置換をせずとも、両辺に\(xy\)かければ全然グラフの概形わかりました。あとは線形計画ですね。が、ここではその解答は省略します。

 

 

次に

・二次関数

ですが、これも排除ですね。二次の形をしていません。また、何か置換しようとして二次に帰着させようにも無理です。

 

また、

・微分

についても、微分したところで無意味なので排除です。

 

 

よって

・相加相乗平均

を疑います。

 

どうにかして、相加相乗平均の形にもっていくことを考えるわけです。

 

そこで、

\(\displaystyle\frac{1}{x}+\frac{1}{y}≦ \frac{1}{2}\)

の両辺に、

\(2x+y\)

をかけることで、うまく相加相乗平均に持っていけるのです。

\(x>2,y>2\)より、\(2x+y>0\)なので、

$$ \frac{1}{2}(2x+y)≧\left( \frac{1}{x}+\frac{1}{y} \right)(2x+y) $$

$$ =3+\frac{2x}{y}+\frac{y}{x} $$

$$ ≧3+2\sqrt{\frac{2x}{y}\cdot\frac{y}{x}} $$

$$((相加平均)≧(相乗平均)より)$$

$$ =3+2\sqrt{2} $$

 

よって、

$$ 2x+y ≧6+4\sqrt{2} $$

等号成立は、

$$ \frac{1}{x}+\frac{1}{y}=\frac{1}{2} $$

かつ

$$ \frac{2x}{y}=\frac{y}{x} $$

が成立するときで、これを解くと

$$ x=2+\sqrt{2},y=2+2\sqrt{2} $$

であり、これらは

$$ x>2,y>2 $$

を満たしている。

よって

$$ 2x+y $$

の最小値は

$$ 6+4\sqrt{2} $$

となる。

 

 

 

以上が具体例です。

 

「最大最小」というキーワードがあった瞬間

・二次関数

・微分

・相加相乗平均

・線形計画法

・三角関数

・数列比(確率含む)

・図形的考察

のすべてが思い浮かべるようになっておけば良いのです。

 

つまりこれが、「構えておく」という意味で、「このキーワードがきたら、こういう解き方で解く」という対応関係をあらかじめ準備しておくということです。

 

 

「このうちのどれか」を自分から無理やり当てはめに行くという姿勢です。「絶対これだ!」ってなって初めてできる式変形や置換があるということを理解してください。

 

 

”構えておく”=言語化して抽象化する

 

ここで大事になってくるのが、”構えておく”というのは、「キーワード」や「特定のパターン」を見たときに、「このパターンで解く」というのを言語化して知識として集める行為です。別の言葉でいうと、抽象化です。

 

 

普段の勉強で、「その問題が解けるようになる」だけが普段目的になってる人へ。これはチャート式などの大量の問題集で勉強している人にありがちなのですが、どうしても量が大量の問題集で勉強していると、「その問題が解けるようになる」のが目的になってしまいます。

 

 

しかし、その勉強のやり方では非常に非効率です。なぜなら、「似た問題が出ないと解けない」からです。それでは何千問、何万問と解き方を覚えなければならなく、非常に非効率です。

 

そうではなく、その分野ごとに抽象化した知識を集めまくる

 

そして、抽象化した知識を問題に当てはめる意識で勉強するのが最も効率的です。問題というミクロではなく、「キーワード」「よくあるパターン」というマクロで捉える。この抽象化した知識を覚える。これが効率のいい勉強で、ただその問題が解けるようになるのではなく「その問題の解法の裏にある思考を言語化できる」ように、他人にも説明できるようにしておくのが最も効率のいい勉強です。

 

本サイトの解説記事では、

「こういうキーワードや、こういう状況ではこういう解き方で解く」

という抽象化した部分の知識を紹介して、それを具体的な問題に適用するという解説をしていきます。

 

 

さらに!

冒頭に述べたこと覚えていますか?

 

「受験数学には、主に二種類の問題があるのです。

一つ目は、純粋な思考力を問う問題です。

二つ目は、既存の知識を適用する力を問う問題です。」

 

今回の記事は二つ目について解説しました。

ちゃんと一つ目についても解説しますよ笑

以下の記事をよければどうぞ!