図形と方程式の裏技を大公開【微分とベクトル】

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しゅがー
高校受験の失敗から高校時代は大学受験をガチる。特に好きだった数学を極めようとするも、最初はうまく成績が伸びなかった。そんなとき、超数学が出来る先生に出会い飛躍的に数学の成績が伸び、国立大学に合格。ネットの友達に数学に教える過程で、「教える」楽しさに気づき、本サイトを作る。詳しいプロフィールは こちら

どうもこんにちは、しゅがーです。

 

今回は図形と方程式における超裏技を公開しようと思います。

 

以前の記事で図形と方程式で全体像をお見せしました。

↑以前の記事

今回の記事で解説する知識は(10)に該当する知識です。

 

今回紹介する”武器”ははっきり言って強力です。

裏を返すと、強力な武器って扱うのが難しかったりしますよね。

 

そのため、結論だけ覚えるのではなく過程もしっかり理解したうえで今回紹介する裏技を使うのがいいです。

 

また、今回扱う裏技は微分とかベクトルとかが出てきて、最初は「図形と方程式じゃないの…?」ってなると思います。「こんな知識どう使うの…?」って最初はなると思います。

 

しかし、記事の最後には具体的な入試問題をこの裏技を使って解くので、この記事を読み終える頃にはこの裏技の凄さと汎用性の広さに感動することでしょう。

 

それでは、さっそくやっていきます。

 

座標の微分→その点における接線の方向ベクトル!?

 

結論から言います。

 

座標平面上で、媒介変数表示された\(x\)座標と\(y\)座標をそれぞれ微分するとその点における接線の方向ベクトルになります。

 

は…?

 

ってなりますよね。いきなり微分とかベクトルとか出てきて、図形と方程式じゃないの…?ってなると思います。

 

分かりやすくするために具体例でいきましょう。

 

簡単な具体例

座標平面上に、\(t\)で媒介変数表示された点P\( (x(t),y(t) ) = (t^2-1,2t^2+t+1) \)がある。この点Pにおける接線の方向ベクトルと法線ベクトルを\(t\)を用いて表せ。

 

上記が簡単な具体例です。それではやっていきましょう。

 

さきほど書いた文章をもう一度載せます。

裏技

座標平面上で、媒介変数表示された\(x\)座標と\(y\)座標をそれぞれ微分するとその点における接線の方向ベクトルになる

この知識を使います。

今回の問題では、

\(x(t)=t^2-1\)

\(y(t)=2t^2+t+1\)

なので、それぞれの座標を\(t\)で微分したものがその点における接線の方向ベクトル\(\vec{p}\)になります。

\(x'(t)=2t\)

\(y'(t)=4t+1\)

より、求める方向ベクトル\(\vec{p}\)は

\(\vec{p}=(2t,4t+1)\)

となります。

また、法線ベクトルのひとつは

法線の方向ベクトルの求め方

接線の方向ベクトル\(\vec{p}\)が、\(\vec{p}=(a,b)\)とすると、その法線の方向ベクトル\(\vec{d_p}\)は\(\vec{d_p}=(b,-a)\)または\(\vec{d_p}=(-b,a)\)である。

上記の知識より、

\(\vec{d_p}=(4t+1,-2t)\)

または\(\vec{d_p}=(-4t-1,2t)\)

となる。

 

法線の方向ベクトルの求め方はよろしいでしょうか?

簡単に図にまとめると、

こういうことです。

 

なぜこうなるのか証明します

 

なんとなく使い方がわかったところで、「なんでこんなことが成り立つの…?」ってなったと思います。

 

さっそく証明していきますよ。

 

まず有名な数IIIの知識で、以下があります。

媒介変数表示されたときの導関数の公式

\(t\)で媒介変数表示された\( (x(t),y(t)) \)の導関数の公式は

\( \displaystyle\frac{dy}{dx} = \frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}} = \frac{y'(t)}{x'(t)}\)

である。

 

これを使います。それでは、証明です。

裏技の証明

\(t\)で媒介変数表示された点P\( (x(t),y(t)) \)における接線の方向ベクトルのひとつ\(\vec{p}\)が

\(\vec{p}=(x'(t),y'(t))\)

であることを示す。

\(t\)で媒介変数表示された\( (x(t),y(t)) \)の導関数の公式は

\( \displaystyle\frac{dy}{dx} = \frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}} = \frac{y'(t)}{x'(t)}\)

であり、これは点P\( (x(t),y(t)) \)における接線の傾きであることから、Pにおける接線の方向ベクトルの一つは

\( \big(1,\displaystyle\frac{y'(t)}{x'(t)}\big) \)

であるので、この方向ベクトルの成分それぞれに\(x'(t) \)をかけてあげると、

\(t\)で媒介変数表示された点P\( (x(t),y(t)) \)における接線の方向ベクトルのひとつ\(\vec{p}\)は

\(\vec{p}=(x'(t),y'(t))\)

となる。(証明終了)

 

なぜ成り立つのか、すっきりしましたか?

 

それでは、次にこの裏技はどんなときに活躍するのかまとめていきます!

最小値問題で特に活躍!

 

結論から言うと、2つの曲線上にそれぞれ動点が1つずつあるときを考えます。そのときのそれぞれの動点を結んだ線分の長さの最小値を求めよ、みたいな問題で役に立ちます。

イメージとしては、以下です。

 

このような問題のとき、図形的考察をすると

線分PQの長さの最小条件

\begin{equation}
\left\{ \,
\begin{aligned}
& \vec{p}//\vec{q} \\
& \vec{PQ}\cdot \vec{p}=0(または\vec{PQ}\cdot \vec{q}=0 )
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

のとき、線分PQの長さは最小となる。

上記が成り立ちます。

鋭い人は気づいたでしょう。

 

・2つの動点→2変数おく

・2つの条件式まで使える→おいた2変数の連立方程式を解く

 

これらより、2つの曲線上の動点の線分の最小値を求める問題は、2変数の連立方程式を解くことに帰着するだけだと。

 

ここで、「2つの動点の距離の最小値だったら、点と点の距離の公式を使って平方完成みたいに処理すればいいんじゃないの?」って思った方もいるかと思います。

 

しかし、実戦では点と点の距離の公式がいかに雑魚い手法か…。後の問題演習でわかります。

 

それはさておき、

線分PQの長さの最小条件

\begin{equation}
\left\{ \,
\begin{aligned}
& \vec{p}//\vec{q} \\
& \vec{PQ}\cdot \vec{p}=0(または\vec{PQ}\cdot \vec{q}=0 )
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

のとき、線分PQの長さは最小となる。

これが成り立つ理由の部分を以下の画像にまとめました。

 

 

具体的な問題で実戦!

それでは早速実戦といきましょう。

 

問題3

半径\(r\)の円は,連立不等式

\begin{equation}
\left\{ \,
\begin{aligned}
& y≦x^2 \\
& y≧-(x-6)^2
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

の表す平面上の領域の中を自由に動かすことが出来る.\(r\)の最大値を求めよ.

(一橋大)

 

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