【二次関数】解の配置問題は定数分離で楽をしましょう

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しゅがー
高校受験の失敗から高校時代は大学受験をガチる。特に好きだった数学を極めようとするも、最初はうまく成績が伸びなかった。そんなとき、超数学が出来る先生に出会い飛躍的に数学の成績が伸び、国立大学に合格。ネットの友達に数学に教える過程で、「教える」楽しさに気づき、本サイトを作る。詳しいプロフィールは こちら

どうもこんにちは、しゅがーです。

 

以前、

こちらの記事で、以下のような二次関数の全体像の話をしたと思います。

ここで、不等式問題と方程式問題において、

裏技:定数分離

があるとお話しました。以前の記事では詳しく説明しなかったので、今回の記事で詳しく説明しようと思います。

 

今回紹介する知識は、結構裏技で、数IIIの知識を使ったりします。

※どの参考書にもこの解き方を見たことがないです。私の知る限りでは。

 

 

定数分離とは?

 

そもそも論、定数分離とはなにか?

 

それは、その名の通り「定数」を「分離」するって意味です。

まずは例題を用いて定数分離とは?を簡単に解説します。

 

 

例題1

\(k\)は定数とする。方程式\(|x^2-x-2|=2x+k\)の異なる実数解の個数を調べよ。

 

こちらの問題、正攻法で解こうとしたらかなり大変です。そこで、定数分離の出番です。

 

どうするかというと、

\(|x^2-x-2|=2x+k\)

\(|x^2-x-2|-2x=k\)

と変形してあげます。

 

さらに、

\(y=|x^2-x-2|-2x\)

\(y=k\)

と分けてあげて、これらのグラフの交点が、

\(|x^2-x-2|-2x=k\)

の解と同じであると考えます。つまり、言い換えです。

 

この言い換えが定数分離の本質といえます。

方程式を定数で分離して、方程式の解をグラフの交点とみてあげるんです。

 

あとは、

\(y=|x^2-x-2|-2x\)

のグラフさえ描ければいいわけです。

 

この問題の解答は以下になります。

 

 

2次方程式の解の配置問題でも応用が効く!!

 

さて、ここからが裏技チックな知識です。

 

さきほどの問題は定数\(a\)がそもそも簡単に分離できましたよね。

 

しかし、以下の問題ではどうでしょうか?(以前の記事で紹介した問題です)

例題2

(1)\(a\)は実数の定数とする.2次関数\(f(x)=2x^2-4ax+a+1\)が\(x≧0\)においてつねに\(f(x)>0\)を満たすような,\(a\)の値の範囲を求めよ.

(2)\(0≦x≦2\)を満たすすべての実数\(x\)に対して,\(x^2-2ax+a-3≦0\)が成り立つような定数\(a\)の値の範囲を求めよ.

(秋田大,千葉工業大)

 

定数分離がなかなか一筋縄ではいかないですよね。

 

しかし!!!!

できるんです、定数分離が。

 

(1)をみてみましょう。

「2次関数\(f(x)=2x^2-4ax+a+1\)が\(x≧0\)においてつねに\(f(x)>0\)」

つまり、\(x≧0\)において

\(2x^2-4ax+a+1>0\)

となる不等式ですよね。

 

ここで、\(a\)についてまとめてあげて、

\(x^2+1>(4x-1)a\)

となります。

あとは、\(x<\frac{1}{4}\)と\(x>\frac{1}{4}\)で場合分けしてあげれば良くて、

\(0≦x<\frac{1}{4}\)のとき、

\(\displaystyle\frac{2x^2+1}{4x-1}<a\)

となり、

\(x>\frac{1}{4}\)のとき、

\(\displaystyle\frac{2x^2+1}{4x-1}>a\)

と定数分離ができるのです!!!

 

つまり、これらの不等式を満たすときの\(a\)の値の範囲を求めてあげればいいのです。

 

 

さて、(2)も同様です。

(2)\(0≦x≦2\)を満たすすべての実数\(x\)に対して,\(x^2-2ax+a-3≦0\)が成り立つような定数\(a\)の値の範囲を求めよ.

でした。つまり、\(0≦x≦2\)において、\(x^2-2ax+a-3≦0\)を\(a\)について定数分離してあげればよくて、

まずは\(a\)について整理してあげて、

\(x^2-3≦(2x-1)a\)

となります。

よって\(0≦x<\frac{1}{2}\)のとき、

\(\displaystyle\frac{x^2-3}{2x-1}≧a\)

となり、

\(\frac{1}{2}<x≦2\)のとき、

\(\displaystyle\frac{x^2-3}{2x-1}≦a\)

と定数分離ができます!

さきほどと同様に、これらの不等式を満たすときの\(a\)の値の範囲を求めてあげればいいです。

解答は以下のようになります。

(1)

(2)

 

次に方程式問題です。以前の記事で紹介した問題です。

例題3

2次方程式\(mx^2-x-2=0\)の2つの実数解が,それぞれ以下のようになるための\(m\)の条件を求めよ.

(1)2つの解がともに\(-1\)より大きい.

(2)1つの解は1より大きく,他の解は1より小さい.

(3)2つの解の絶対値がともに1より小さい.

(岐阜大)

 

これも、同様に定数分離してみましょう。

\(mx^2-x-2=0\)

を、\(m\)について整理して、

\(mx^2=x+2\)

\(x=0\)は解にもたないので、\(x^2\)で両辺を割って

\(\displaystyle m=\frac{x+2}{x^2}\)

と定数分離できます。あとは、

\(y=m\)

\(y=\displaystyle\frac{x+2}{x^2}\)

についてのそれぞれの交点が、

(1)2つの解がともに\(-1\)より大きい.

(2)1つの解は1より大きく,他の解は1より小さい.

(3)2つの解の絶対値がともに1より小さい.

これらの条件を満たしていればよく、そのような\(m\)の値の範囲を求めてあげればよいです。

 

こちらの問題の解答は以下のようになります。

 

以上が、定数分離についての裏技的な解き方でした。

 

定数分離は不等式・方程式の問題で大事になってくる考え方です。二次関数だけの話ではないのです。

 

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