こんにちは、しゅがーです。
今回は1/6公式の真の使い方を解説しちゃいます。
1/6公式とは、
\(\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta)dx=-\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3\)
のことで、これを応用して出来た基本の面積公式が
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)
です。
この公式自体を知っている人はいるかもしれませんが、
知っていたとしてもせいぜい検算用とか、共通テスト用の知識だと思っていませんか!?
甘い!! この公式はめちゃくちゃ時短になると気づいていますよね?
にも関わらず、使いこなせていないですよね!?
今回はこの公式の真の使い方について解説していきます。
1/6公式から得られる面積公式たち
実は1/6公式は、
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)
これだけではありません。これ以外にも
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3\)
と、
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3\)
と
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^4\)
があります。
この4つを覚えてください。めちゃくちゃ時短になる&正確になります。
「早く解けて正確性も上がる」
こんなにおいしいことは受験数学でそうそうありません。
知ってるだけで周りとめちゃくちゃ差をつけられますよ。
というのも、これがマイナーなテーマならともかく、
受験で頻出だからです。
知ってたら必ず得をします。
1/6公式の使い方
さあ、さっそく真の使い方を見ていきましょう。
まずは簡単に、例題を。
まずは普通に、
\(\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta)dx=-\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3\)
だけ知っていたとして解いてみます。
交点の\(x\)座標を求める。
\(x^2-(x+6)=0\)
\(x^2-x-6=0\)
\((x-3)(x+2)=0\)
\(x=-2,3\)
よって求める面積は
\(\displaystyle\int_{-2}^3 \{(x+6)-x^2\}dx\)
\(=-\displaystyle\int_{-2}^3 (x-3)(x+2)dx\)
\(=\displaystyle\frac{\{3-(-2)\}^3}{6}\)
\(=\displaystyle\frac{125}{6}\)
このように解けます。
確かに、十分早いことは否定しません。
が、もっともっと時短しましょうよ!
というのも、面積公式
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)
を使うのです。
今回、概形を書いてみると
このようになるので、
\(S=\displaystyle\frac{|1|}{6}\{3-(-2)\}^3=\frac{125}{6}\)
となるのは目に見えています。
ってことは途中とかどうでもいいですよね
真の使い方はこうです。
「途中は計算してますよ風の記述をする」
やってみます。
交点の\(x\)座標を求める。
\(x^2-(x+6)=0\)
\(x^2-x-6=0\)
\((x-3)(x+2)=0\)
\(x=-2,3\)
よって求める面積は
\(\displaystyle\int_{-2}^3 \{(x+6)-x^2\}dx\)
\(=\displaystyle\left[\frac{1}{2}x^2+6x-\frac{1}{3}x^3\right]_{-2}^3\)
(↑積分形式だけはそれとなく書く)
\(=\displaystyle\frac{125}{6}\)
(↑実際は1/6公式を使っているのにも関わらず、このように書くことであたかもゴリゴリ計算しましたよと読める)
伝わりましたか?
要は1/6公式は記述でも、使い方をずる賢く(笑)考えれば全然使えるってことです。
途中の積分の形式はしっかり書いて、最後の数値計算の部分だけ公式を使ったのにも関わらず(笑)ゴリゴリ計算しましたよと読めるように記述する。
これのどこにケチをつけられますか?笑
絶対に何も言えません。
また、確かに\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)程度であれば
\(\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta)dx=-\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3\)
を使って解くのと劇的に差はないかもしれません。
しかし、これが先ほど紹介した1/12の公式などになったときに劇的に効果を発揮するのは想像に難くないですよね?
ミスもしないし早い。本当に差をつけられます。
さて実戦です。入試問題で使い方を詳しく解説します。
問題演習
問題1
\(xy\)平面上の2つの曲線\(y=x^2-2ax+a^2-a,\) \(y=-x^2+2\)が異なる2点で交わっている。
(1)\(a\)の値の範囲を求めよ。
(2)2つの交点の\(x\)座標を\(\alpha,\beta\)\( (\alpha<\beta)\)とする。\(\beta-\alpha\)を求めよ。
(3)上の2つの曲線によって囲まれた部分の面積\(S\)を求めよ。
(4)面積\(S\)が最大になるときの\(a\)の値を求めよ。また、\(S\)の最大値を求めよ。
(山形大)
図を書いてみると、
このようになります。で、分割してみると、
このようになるので、2回
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)
公式を使うだけですね。
解答です。
問題2
2つの放物線\(C_1:y=x^2,\) \(C_2:y=x^2-4x+8\)に共通な接線を\(l\)とし、\(C_1,C_2\)との接点をそれぞれ\(P_1,P_2\)とする。
(1)\(P_1,P_2\)の\(x\)座標を求めよ。
(2)2つの放物線\(C_1,C_2\)と直線\(l\)で囲まれた図形の面積を求めよ。
(滋賀大)
図を書いてみると、
このようになるので
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3\)
上記の公式の出番です。
問題1と同様にあたかもゴリゴリ計算しましたよ風に記述するだけです。
解答です。
問題3
\(y=x^2\)のグラフを\(C\)とする。\(b<a^2\)を満たす点\(P(a,b)\)から\(C\)へ接線を2本引き、接点を\(A,B\)とする。\(C\)と2本の線分PA,PBで囲まれた図形の面積が\(\displaystyle\frac{2}{3}\)になるような点Pの軌跡を求めよ。
(東京都立大)
今回も図を書いてみると
このようになるので、
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3\)
上記の公式を使うだけです。
解答です。
問題4
3次曲線\(y=x^3+ax^2+bx+c\)を\(C\)とする。\(C\)は次の条件(ア),(イ)を満たすとする。
(ア)原点に関して対称である。
(イ)直線\(y=2\)は\(C\)の接線である。
以下の問に答えよ。
(1)\(a,b,c\)の値を求めよ。
(2)\(y=2\)と\(C\)で囲まれる図形の面積を求めよ。
(東京女子大)
今回は
\(\displaystyle S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^4\)
上記の公式を使います。
解答です。
続きが以下の記事です。
\(y=x^2\)と\(y=x+6\)で囲まれた部分の面積を求めよ。